生花装飾やハーバリウム講座を行う一般社団法人日本メモリアル・アルターフラワー協会のお知らせです

花美知

新着情報

NEWS

ガーデニング用語:苦土石灰

苦土石灰 くどせっかい

苦土石灰の概要

土のアルカリ性を強めるために使用される肥料です。白色で粉状または粒状で販売されています
原料はドロマイトという鉱物で、砕いて作られます。
主な成分は炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムで、マグネシウムを『苦土』、カルシウムを『石灰』と呼ぶことからこのように呼ばれています。
『苦土タンカル』、『苦土カルシウム』、『炭酸苦土石灰』などとも呼ばれます。
石灰肥料(石灰石を原料とした肥料)の中では緩効性なのでゆっくりとph調整をしてくれます。家庭菜園、ガーデニングの土壌調整には苦土石灰が一番適しています。
また、強アルカリ性ですので雨などで酸性気味の土壌を中和したり、カルシウム、マグネシウムなどの栄養補給をさせたい時に使われます。
※苦土石灰と似た肥料に『消石灰 しょうせっかい』というものがありますが、こちらはマグネシウムが含まれていないのでお求めの際にはご注意ください。
 

使用量の目安

土1kgに対して苦土石灰1.5g程の使用でphが約0.5上がります。
育てたい植物により適した土壌のph値が異なるので、事前に調べておくと良いでしょう。また、前もって元の土壌のph濃度を測っておいてから適切なphになる量を使用することをおすすめします。
一般的には酸性:~ph5、弱酸性:ph6.5~6、中性:ph6.5~7、アルカリ性ph7.5~とされています。
 

使用するタイミング・使い方

他の肥料と混ぜる前に使用します。先に苦土石灰と土を混ぜて1~2週間程度置いてから肥料を混ぜてください。
苦土石灰と他の肥料を同じタイミングで混ぜると、肥料に含まれる窒素成分と化学反応を起こしてアンモニア臭を発生させます。
また、沢山使いすぎると野菜に良くない土壌になってしまいますので、少しずつ土壌の改善をしていきましょう。
化成肥料の中にはリン酸を含むものもあります。
このリン酸と苦土石灰中のカルシウムが反応し、リン酸カルシウムになる場合があります。リン酸もカルシウムも植物の成長に必要なミネラルですが、化学反応を起こすことで本来の効果が薄くなってしまいます。
 

その他

余り知られていませんが、多くの植物がアルカリ性の土壌を好みます。
苦土石灰に含まれるマグネシウムには葉を緑に保ち、植物の生長を促す働きもあります。
植物の下葉が黄色く枯れてきたときに苦土石灰を土に加えると、マグネシウムが補給され元気になることもあります。
日本の土壌は弱酸性の雨によって酸性に傾きやすくなっています。特に人の手が加えられていない場所(手つかずの畑や庭)の土は酸性濃度が濃くなっています。
家庭菜園程度の広さに使用する分には効果が緩やかで調整しながら作業ができるのでおすすめです。
ガーデニングや家庭菜園等を始める時に常備しておきたいもののひとつです。